キーン…コーン…カーン…コーン…
このチャイムの音で今日の眠い眠い学校の授業が終わった。後は放課後遊び。思う存分ロボトルができる。
しかし今日は学校の様子が変だ…やけに騒がしい。
竜介「…ぃ おぃ!!辰也!!きいてんのか!?」
辰也「ん?わりぃ…ちょっと悩み事…」
竜介「そっか…ってかお前も大会出るんだろ?」
辰也「大会?何それ?」
竜介「知らなかったのか…」
竜介は辰也に説明した。なんと、ロボトルの小学生限定世界大会が開かれることを説明された。ルールは3対3のチームロボトル。
チームメンバーは当然6〜12歳の小学生限定。使うメダロットはロボトル研究所にさえ登録していれば自作品でも可と言う事だった。
辰也「おおおお!!面白そうじゃん!!じゃぁ…チームは…俺と、竜介と…」
竜介「そこが問題なんだよな。」
周りをよく見るとクラス全員もう出る気満々。すでに3人チームを作っていた。
辰也「…駄目じゃん。」
竜介「と、言うわけだから…ほかのクラスから引っこ抜くぞ!!」
辰也「どういうわけだかしらねえけどやってやるぜ!!」
竜介と辰也は廊下を走って飛び出した。竜介は右、辰也は左だ。
辰也「まずは2組からあたるぜ!!…」
しかし恐ろしくなった。2組は番長がいるクラスだからだ。
辰也「…1組にしよう。」
辰也は大人しく1組に行く事にした。
辰也「そういえば1組には奈央がいたっけ…奈央強いからなぁ…見方にしたいぜ!!」
辰也が1組に入ろうとしたとき大きな爆発音がなった。どうやら1組で何かやってるらしい。
急いで中に入ってみた。すると奈央が男子2人のメダロットを一発で倒していた。
辰也「奈央…お前何してんだよ…」
すると今まで戦闘モードだった奈央が我に戻った。
奈央「あ…辰也。1組に来るなんて珍しいじゃん。」
奈央とは辰也、そして竜介の幼馴染である。昔はよく3人で遊んだ。
辰也「なぁ奈央…お前まだチーム組んでないよな?」
奈央「まぁ…組んでないけど…それがどうかしたの?」
辰也「俺らと組まない?」
奈央「メダロット転送!!」
奈央はいきなりメダロットを転送した。そのメダロットは全身が黒く染まっている超弩級戦艦型メダロット「ドレットノート」だった。
奈央「さっきから皆試してたの。私あんまり弱いチームに入るの嫌だから…私を仲間にしたいならロボトルしなさい!!」
辰也「おいおい…お前のドレッドノート…全装甲合計が600じゃねーか!!どうやって勝つんだよ!!」
奈央「戦えないならお断りよ!!」
辰也「分かったよ…ガイストビートル転送!!」
メダロッチから、光に包まれガイストビートルが転送された。ガイストビートルを公に見せるのは始めてである。
男子A「おい…あれカブト型メダロットだろ!!」
男子B「本当だ!!しかも…未販売のレアもんだよ!!」
こんな田舎でカブト型メダロットをもっているのは辰也だけだろう。ほかの男子は物欲しげな目でガイストを見ていた。
ガイスト「…なんだ、学校か。…ドレッドノート!!…新型パーツを実線で試す相手には丁度いいな。」
ガイストは格闘パーツをつけている時代に一度だけドレッドノートと戦ったことがある。当然ボロボロにされているが。
辰也「これは練習ロボトルだ。勝っても負けてもパーツのやり取りは無し。だってお前を仲間に入れるかどうかの問題だからな。」
奈央「まぁそうだね。それじゃぁいくよ…」
辰也、奈央「ロボトルーファイト!!」
辰也「あいつの装甲は半端無いのは分かっているよな…ガイスト…」
ガイスト「あぁ分かっている…あいつは名前通りめちゃくちゃ強い…あの不沈戦艦をどう沈める?」
ドレッドノートは装甲が600ある上に変形後は水上限定の自己修復を持ち威力99の我武者羅ハンマーと
、此方も威力99の狙い撃ちライフルを乱射しまくる。今回のフィールドは水上ではないが
水上なら無敵の強さを誇る。まさに超弩級戦艦型だけはある。
辰也「あいつは変形さえさせちまえば動きは格段に遅くなる…そこを狙うんだ。
やつは水上以外なら得意の自己修復は使えないしな。」
ガイスト「まぁハンマーは避けられるが…あのライフルはどうする?」
辰也「まぁ作戦があるんだ。ガイスト…ゴニョゴニョゴニョ…」
ガイスト「…大丈夫か?一か八かの勝負じゃねーか!!」
奈央「なにをごちゃごちゃ言ってんのよ…行きなさい!!ドレッド!!まずはヘッドレーダーで敵の位置を正確に把握するのよ。」
ドレッド「心得た。」
ドレッドはレーダーで分析し始めた。行動は索敵。しかしこの高感度レーダーの前には無力である。なぜなら隠蔽中の敵も一瞬で見分けられ、なおかつ見失わない能力があるのだ。
ドレッド「ロックオン完了…次の命令を」
奈央「次は右腕のドレッドファイヤよ!!」
ドレッド「了解」
ドレッドは静かに右腕をガイストに向けた。
ガイスト「おい…辰也…まずいんじゃないか?」
辰也は静かにそれを見ていた。
奈央「発射!!」
ドレッドの腕からライフルが発射された。ファイヤと言っているが実はライフル攻撃なのである。
ライフル丸はガイストの右腕を突き抜けた。
ガイスト「クッ…イテェ…」
メダロッチ「ガイストビートル。右腕ダメージ100%。機能停止」
ガイストの右腕がピクリとも動かなくなった。
辰也「まだだ…まだ攻撃のタイミングじゃない…」
ガイスト「早くしないと負けちまうぞ!!」
奈央「攻撃してこないの?なら決着をつけるわ…ドレッドメダチェンジ!!」
ドレッド「………」
ドレッドは静かにメダチェンジをした。チェンジ後の姿は当に不沈戦艦。おぞましい姿をしている。
辰也「来たか…だがもう一息だ…」
辰也が考えている賭けは一発勝負、失敗は許されない。
辰也「ガイスト!!右に回りこめ!!」
ガイスト「あぁ!!さっき聞いているから分かっている!!」
ガイストはドレッドの右に回り込もうとした。だが敵の要塞はそう簡単には周りこませてくれそうも無い。
奈央「ドレッド!!ドライブCガトリング!!」
ドレッドの対空砲らしき部分から無数の玉が出てきた。当然これをすべて避けきることは至難の業だ。
メダロッチ「脚部パーツ及び右腕パーツダメージ95%」
ガイスト「作戦を変更したほうがいいんじゃねえか?」
辰也「あいつに勝つ方法はこの方法しかない…後数ターンの辛抱だ…」
奈央「とどめよ…私を仲間にするのは無理みたいだね…ドレッド!!ドライブAハンマー!!」
このハンマーは主砲をイメージして作られている。ハンマーが主砲から飛び出してくるのだ。
このハンマーには鎖がついていて使用後はハンマーを引き戻すことが可能。用は鎖が切れない限りドライブAは使い放題な訳だ。
ドォーン!!ものすごい音と共に砲弾(ハンマー)が発射された。ハンマーは此方めがけて一直線に向かってくる。そこで辰也がニヤリと笑った。
辰也「よし!!今がチャンスだ!!ガイスト、そのまま伏せろ!!」
ガイスト「おう!!」
ガイストは伏せた。その結果ハンマーはガイストを外した。
奈央「なっ!!…」
辰也「ガイスト!!続いてそのままミサイル発射!!できるだけ地面擦れ擦れで打て!!」
ガイスト「あぁ!!これなら自身がある!!」
ガイストは頭からミサイルを4発発射した。ミサイルは何れも左下の表面に一点に集中して当たった。」
メダロッチ「ドレッドノート、装甲35%低下」
奈央「な…まさか一番怖いことをしてくるとはね…」
ガイストのミサイルは魚雷に見立てて撃った。魚雷は戦艦などを攻撃するときなどに用いる兵器である。しかし戦艦だって魚雷は避けられる。
奈央のドレッドノートは戦艦の癖に異様に俊敏性が高いので尚更だ。だがドレッドノートの使うハンマーは我武者羅。これなら確実に魚雷(ミサイル)を当てられる。
別に先ほどの狙い撃ち行動のガトリングでもいいが、あちらは早すぎて避けられないからだ。
ドレッド「結構痛い攻撃だな………ん!?」
ドレッドはそのまま左側に倒れこんだ。先ほどのミサイルが一点に集中的に当たったのでバランスを崩したからだ。
ドレッド「クソッ!!…起き上がれぬ…」
さらに先ほど発射したハンマーの鎖が絡まり起き上がるのを妨害していた。
奈央「これじゃあ変形の解除も出来ないじゃない…ドレッド!!ガトリング乱射!!」
ドレッド「了解!!」
ズババババババババババ…撃ってはいるがガイストにはかすりもしない。
それはガイストが右側…何故ならドレッドの船底をしっかり狙える位置にガイストが立っているからだ。それにここならドレッドの攻撃範囲から死角になる。
ガイスト「これじゃあ〜得意のガトリングもハンマーも出来ないねえ〜つーかあたんねーし。」
辰也「不沈戦艦沈没だな…どうだ降参するか?それとも残りのミサイルとガトリングで機能停止にしようか?」
奈央「あぁー分かったよ。降参する!!」
辰也「よし!!メンバー決定だな!!今日のpm5時に研究所前に集合だからな!!」
奈央「りょーかい。」
辰也とガイストは走ってクラスまで帰っていった。
辰也「いやー!!やっぱ最強コンビだな俺ら。」
ガイスト「調子に乗るな!!まぁ最初会ったときはこんな駄目野郎と一緒で、どうなるかとは思ったが…結構お前頭の回転が利くからな。」
辰也「イヤー…それほどでも…駄目野郎は余計だけどな…お!!竜介!!どうだった!?…ぅゎ…」
ガイスト「可愛そうだが俺らは逃げるぞ…」
辰也とガイストは忍び足で校舎から出て行った。竜介は走っているところを学校一怖い鬼陀先生に見られ説教を食らっていたのだった。
第2話 不沈戦艦 完 第3話
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