[medarot a wars] 
第6話 南基地入国

孝介はその夜夢を見た。そう見た夢と言うのは、いつか見た捕らわれているメダロットの夢だ・・・

そのメダロットは何か何か話しかけてきているように思える。だが聞き取れない。そよ風のように小さい声なのだ。

ようやく声が聞こえるようになってきた。しかし、そのメダロットはもう消えかかっていた。

???「孝・・・介・・・」

自分の名前を呼んだのは分かった。だがそれ以外の言葉は何一つ聞き取れなかった。そして消えてしまった。



孝介は目が覚めた。あのメダロットは何を伝えたかったのだろうか・・・それが疑問に残る。何か心のもやもやが取れないまま1日が始まった。

そして今日この日、孝介たちは南軍との戦争に入るのだ。もしかしたらあのメダロットは何か危険が迫っていることを知らせたかったんだろうか? そんなことを考えながら朝食に入った。やはり孝介の顔は暗い。それを気にしたのか右隣にいる桜田が話しかけてきた。

桜田「どうしたんだ?昨日の試合・・・まだ引きずってるのか?」

孝介「いや・・・そんなことはない。だが気になることがあって。」

桜田「気になること?良かったら話てくれないか?」

そういった桜田に孝介は今まで自分がみた夢のことを全て話した。

桜田「そうか・・・そんな事が・・・だがあまり気にすることもないだろう。用があれば向こうからまた来てくれるだろうから。」

孝介「そうか・・・そうだよな!!悪い!こんな話しちゃって。さっさと飯でも食って体力つけておかなくちゃな。」

そう言って孝介は飯をかなり早く食い始めた。何かもやもやしていた物が晴れたみたいだった。

飯を食い終わり最終確認のため作戦ホールに集まった。作戦ホールと言うのは昨日集まった場所とは少し違う。昨日の場所より 少し狭く、空調設備が悪いため、集団で集まるとすごく蒸し熱くなる。

堀川「全員集まったか!?各班の班長は全員集まったら私のところへ来て連絡をしろ!!」

といっても班と言うのは、佐藤、永井、堀川の班しかないので、この確認作業はすぐ終わった。そして最後に堀川が話しはじめた。

堀川「皆・・・いや、ここにいる仲間達よ。私たちは操られているメダロットを全員旧助するのだ。  そして・・・全員生きてこの場所に帰ってくるのだぞ!」

ハイ!! 全員が同じ思いだった。メダロットを助け、悪の組織を倒す。それが俺達の役割だと。

北、西、行きの班が出発し、ついに孝介たちの南班も出発した。

そしてそれは孝介の長い旅の始まりでもあった・・・。





出発して3日は立っただろうか・・・。もう東の土地は完全に見えない。換わりに南の土地が見えているのだ。 南の要塞はとにかく大きかった。そして南の土地に入ろうとしたとき近くにいる警備員が佐藤率いる東軍を止めた。

警備員「お前達・・・入国許可証は持っているのか。」

旅人に扮している佐藤が言った。

佐藤「私は旅人。そんな物は持たず、ただひたすら歩き続けるだけの存在・・・」

警備員「とにかくだ。入国許可証がないと入ることは出来ない。」

佐藤「どうしてもか?私はこの国を旅してみたいと思ったのだが。」

佐藤がそういった後、警備員が少し考えた。そして佐藤に話しかけた。

警備員「この国にはルールがある。ロボトルに勝った物が全てだ。すなわち私とロボトルし、勝ったら入国許可証を発行しよう」

佐藤「よろしい。そのロボトル受けよう」

孝介のメダロッチ内にいるクラトが佐藤に話した。

クラト「あんなの無視して入国して悪い奴倒した方が早いぜ!?」

佐藤「何を言っている。入国するまでは争いごとは避けた方がいいのだ。」

佐藤がクラトに小声で教えた。

警備員「話のごちゃごちゃは終わったか?この国は3対3のロボトルが常識なのだ。よって3対3と言うことにする。」

佐藤「よろしい。では、ロボトルフィールドを展開してもらいたい。」

警備員「よし!ロボトルフィールド展開!」

警備員が自分の近くにある大きな機械を操作した。

ピ、今回のロボトルフィールドは・・・砂漠です。

警備員「砂漠か・・・ついてないな。」

佐藤「砂漠が嫌なら、負けを認めた方がよろしい。」

警備員「職業柄、降参と言うわけには行かないのでね。メダロット転送!」

警備員がそういうと、メダロッチが光り、メダロットが3体繰り出された。どうやらそのメダロットは ブレイブポリス、ブレイブレスキュ、ブレイブファイヤ、のようだ

佐藤「ふむ、私は2体で十分だ、行くぞ!エンデバー、エランダー、メダロット転送。

エンデバーとエランダーが佐藤のメダロッチから繰り出された。

エンデバー「今回は砂漠フィールドなのか、動きにくいな。」

エランダー「私は平気ですが・・・やはり砂漠フィールドは熱さまで表現されているんですか。」

佐藤「レフェリーは・・・孝介、頼んでもいいか?」

少しぼけーっとしていた孝介が我に帰った

孝介「え?・・・あ・・・はい、やります。ではロボトルーファイト!!」

佐藤「エンデバーじっとしておけ、まずは相手の様子見だ。」

エンデバー「Aパターン戦法だな?分かった。」

警備員「どんな戦法だか知らないが、討ち負かしてやるだけさ、全員メダチェンジだ」

ブレイブ系「了・・解・・・」

怪しげなブレイブ系たちがメダチェンジをしていった。エンデバーがそれを察知して叫んだ。

エンデバー「貴様!そのメダロット・・・リミッターを外しているな!?」

警備員は良く分かったなという怪しい笑いをした。

警備員「行け!ポリスはライフル!レスキュはレーザーで、あの生意気な騎士型を潰してしまえ。」

エンデバー「果たしてそううまくいくかな・・・?」

佐藤「そろそろいいだろう。エンデバーメダチェンジ!エランダーは封印を解除してやれ。」

エンデバーは砂漠フィールドに適した飛行型となった。そしてエランダーが封印を解除したことによって、 エンデバーが青く光り始めた。

ブレイブポリスとブレイブレスキュが遠隔攻撃をしてきているが、チームワークがないのか、攻撃のタイミングがばらばらだ。 エンデバーは軽々とその攻撃を避け続けた。

佐藤「エンデバー!!2体同時に突き刺してやれ!」

エンデバー「任せろ!それくらい朝飯前だ。」

エンデバーは目にも止まらぬスピードでブレイブポリス、ブレイブレスキュに近づいた。

警備員「クソッどこに行きやがった?こうなったら我武者羅だ!ポリス、レスキュ、とにかくどの方位にでも討ちまくれ!!」

警備員がそういったときはもう遅かった、全パーツが壊れメダルも外れている2体の姿があった。

佐藤「エンデバー体勢を立て直して残りの一体も突き刺せ!」

エンデバー「行くぞ!もう一発目の封印武器!!」

警備員「ファイヤ・・・お前などどうなってもいい!!あいつを止めろ!!」

その言葉が気に障ったのか孝介のメダロッチからクラトが叫んだ

クラト「お前!メダロットを何だとおもってやがるんだ!!」

警備員「知らん!私さえ良ければどうでもいい。私の出世のため負けるわけにはいかないのだ。」

エンデバー「こういう分からずやには一度頭を冷やさせるべきだな。」

エンデバーが残りの1体も突き刺した。

ファイヤ「グアァァァァ・・・・」

今にも倒れそうなファイヤが向きを変えた。それは警備員の向きだ。

ファイヤ「クラエ・・・・イママデノ・・・ウラミダ・・・」

ブレイブファイヤが警備員にドライブC(ファイヤ)を向けた。警備員は命乞いをし始めた。

警備員「すまん!!俺が悪かったよ!だから許しれくれぇ!!」

佐藤は何を思ったのか分からないがエンデバーに命令した。

佐藤「仕方ない・・・エンデバー助けてやれ!」

エンデバー「言われなくても分かっている。第一、人間に危険が降りかかっているのを見過ごしてはいけないという、3原則があるからな。」

エンデバーが再びブレイブファイヤを突き刺した。

ファイヤ「ム・・・ネン。」

ブレイブファイヤは完全に機能停止した。そして孝介が叫んだ。

孝介「ブレイブファイヤ!機能停止、よって勝者、佐藤 翔介」

警備員「クソッ・・・私の出世の道が・・・」

孝介「まだ言っているよ・・・クラト」

クラト「ケッ!!気に食わないな。」

そして挫折している警備員に向かって佐藤が話し始めた。

佐藤「貴方はメダロットのことを何にも分かってない。自分の出世のためにメダロットを操つって勝とうなどと言うことは、 考えない方がいいだろう。さぁ勝ったものが全てなんだろう?入国許可証に貴様が持っているメダロット全部よこせ!!全部だ!」

孝介「佐藤部隊長!やりすぎではありませんか!?」

孝介が口を挟んだ、しかし佐藤が言った。

佐藤「こんなクソ野郎にメダロットなど、持たせられるか!!」

警備員が泣いて詫びした。

警備員「スイマセン。もう2度とこんなことはしません。だから・・・メダロットのことだけは許してください・・・」

佐藤「貴様など信用できるか!!さぁとっととよこせ!」

エンデバー「おい!もういいだろう。だいぶ反省したようだから。許してやれよ・・・」

エンデバーも口を挟んだ。しかし佐藤は訳を話した。

佐藤「お前らは何も分かっていないんだ。一度リミッターを解除したメダルは修理が必要なんだ! だからよこせといっているのだ。クソ・・・俺のメダルもあの時・・・修理さえしていれば・・・!!」

佐藤が何か昔のことを思い出したようだ。それっきり言葉がでなくなった。

エンデバー「分かってくれ。警備員よ、直ったら必ず返すからな。」

警備員「分かった・・・私が間違っていたようだ。貴方型なら南の悪事をとめられるかもしれません。どうぞ先におすすみください。」

警備員がそう言って5人分の入国許可証を発行した。

クラト「ふーん。少しは物分りがいいじゃねえか。」

クラトが一人でつぶやいた。

佐藤「よし、お前らいくぞ! 私たちの目的は、このように悪事に走った人間の更正もあるのだ!」

そして孝介たちは南基地への第一歩を踏んだ。

〜〜〜あとがき〜〜〜
さてさて、ついに南基地に入国しましたね。そして南基地にはエンデバーが恨んでいる相手、そして、孝介の親父の仇・・・
など様々な敵がいます。そして・・・最悪の結果での再開・・・
では、これからもmedarot a warsを宜しくお願いします。

第6話 南基地入国 完 
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