・・・・どれ位の時間がたっただろうか。今でも体が所々痛む。しかしここがどこだか分からない。婆ちゃん家でもなければ病院という感じもしない。
龍太:「兄貴・・・ここ何処?」
龍太もこの事態に気づいたらしい。
武志:「なぁ・・・さっきから気になってるんだけど・・・変に揺れてないか?」
龍太:「地震じゃないの?」
武志:「そうかなぁ・・・」
二人はあれからどうなったのか分からないままベットから立ち上がろうとしたその時ドアが開き海軍の服を着たオッサンが入ってきた。
龍太:「誰や・・・この軍人のコスプレしたオッサンは・・・」
武志:「知るか・・・俺等夢みてんじゃねぇか?」
そんな事をゴチャゴチャ話ていると、軍人が怒鳴った。
軍人:「貴様ら!!とっくに出撃命令は出ているんだぞ!!早く出撃せんかぁ!!」
武志&龍太:「はい!!」
二人はとにかくその部屋から逃げ出すように出て行った。
軍人:「全く・・・ん?あんな奴いたっけな・・・」
二人は訳も分からず上へ上へと上り外に出た。するとそこは辺り一面海、そして近くには戦闘機が丁度良く2機置いてあった。
龍太:「あ・・・兄貴!!ゼロ戦や!!零式艦上戦闘機だ!!」
武志:「まじだ!!本物じゃん!!ちょっと乗ってみようぜ!!」
二人は興奮してゼロ戦に近づき、触り、乗ってみた。
武志:「うおぉぉぉ!!婆ちゃん家のゲーム機と仕組みが全く同じやぁ!!」
龍太:「よっしゃ!!運転してみるか!!」
不思議なことに零戦は婆ちゃん家でやったゲーム機と同じ様な仕組みだったので二人は手馴れた手つきで動かし始めた。
ブォォォォォン。プロペラが回り始めた。
武志:「零戦発進だぜーーーー」
龍太:「よっしゃぁ撃墜しまくるぞ!!」
零戦は二人を乗せ大空へ飛んだ。ゲームとは違い発進する時にゲーム機で体験したより重力を感じたがきついと言う程ではなかった。
しばらく興奮が冷めなかった。興奮が冷めないまま煙が出ている所目指して飛んでいった。
武志:「おい!!ここ・・・真珠湾じゃないか?ゲームの景色とそっくりだ!!」
龍太:「まさか自分で零戦に乗って真珠湾攻撃できるとはな!!」
武志:「いくぞ!!これはゲーム通りだとミッションっぽいぞ」
龍太:「よっしゃーー!!兄貴となら負ける気はしねぇ!!」
しかし二人が見た光景は零戦がすべて打ち落とされていて残っているのは爆撃機だけである
武志:「これは・・・エキストラモードや!!」
龍太:「ますます腕が鳴るぜ!!」
まだこの兄弟はこの出来事をゲームだと思っている。敵の狙撃機が此方に気づき向かってきた。此方2機に対して敵は6機、絶望な状態だ・・・撤退したほうがいいか・・・と爆撃機にのる日本兵は思っていた。
しかし、この兄弟の能力は桁外れだった。
武志:「そっちの半分は任せたぞ!!撃墜されたらゲームオーバーだぜ!?」
龍太:「兄貴みたいなヘマはしないぜ!!」
二人は二方向に分かれた。武志は右に、龍太は左に旋回した。
武志:「どうやったらP-36にゼロ戦がやられるんだよ!!」
武志は素早く敵の背後に回りこみ機関銃を撃った。敵は即効1機撃墜した。そのまま左に旋回して二機目撃墜、逃げる三機目も武志のテクニックにはかなわず撃墜。
龍太:「全くだぜ!!この時期の零戦は世界最強だぜ!!」
龍太もまた1機目を右に回りこみパイロット目掛け機関銃を撃つ。武志は機体その物を狙い、龍太はパイロットを狙うという二人とも別々の攻撃の仕方だった。
それを見ていた爆撃部隊たちはこれなら勝てる!!と思い、真珠湾に爆弾の雨を降らせた。
その結果真珠湾攻撃は大成功。しかし兄弟は気がついた。
武志:「なぁ龍太・・・ゲームクリア画面が出てこないんだけど・・・」
龍太:「だな・・・ってか空母見えてきたし着陸してからゆっくり考えようぜ。」
とりあえず兄弟は空母に向かいこれまた上手く着陸した。
着陸した瞬間怒鳴ったオッサンが出てきた。よく見ると周りはみんなオッサンと同じ格好をしている。二人は変な宗教団体につかまったのだと思った。
武志&龍太(やべぇ・・・また怒鳴られる・・・・)
しかし、想像していた事とは違い意外な言葉が返ってきた。
軍人:「お前ら!!よくやった。お前らの活躍で真珠湾攻撃は成功したのだ!!えっと・・・・・・お前ら・・・誰だ。わが隊にこんな奴いたか?」
オッサンは近くの隊員に聞いたがみんな首を横に振る。
軍人:「よく活躍したのは認めるが・・・お前ら何処からきたんだ・・・」
武志:「俺らは婆ちゃん家にいたのよく分からないけどここにいたんだよ!!」
龍太:「第一船に乗った覚えは無いぜ!!」
オッサンはこいつら頭狂ったのか・・・可愛そうにと思っていた。
軍人:「まぁいい。お前らの名前を教えろ。私が上官に報告しておく。」
武志:「なんだえらそうに・・・俺の名前は村松武志だ!!」
龍太:「俺は村松龍太・・・オッサンは?」
軍人:「オッサンオッサン言っているが私はまだ26歳だ!!・・・全く、しかしおどろいた。お前らの苗字は私と同じなのか・・・私は村松真司だ。」
兄弟は少し疑問を持っていた。少なくともこの人は他人ではない・・・懐かしい感じがする・・・と、うすうす感づいていた
兄弟は何がなんだか分からないまま日本へ戻ることとなった。
第 話完 話
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